第16章 行方
マーレ「お前には出来ないさ。」
ユリア「・・・な、んで・・・何でそんな事言うの・・!!やってみなきゃ、分からないじゃない!!!」
マーレ「俺を止められないだろう。」
ユリア「・・・!」
マーレ「ユリアは、いい子だから俺の言う事を信用するだろう?・・・俺を裏切れと言われて、裏切れない奴だ。」
ユリア「当たり前でしょう・・・!!だって、私達は兄妹だもん・・・!!誰がなんと言おうと、兄妹だもん!!!」
ユリアの目からポロポロと涙が零れ落ちた。
マーレ「・・・お前がいたから、俺は今まで生きてこれた。ユリアが笑うから、俺も笑えた。ユリアのためなら、何でもできた。・・ユリアがいたから、俺は生きたいと思えた。ユリアは、俺の希望だった。」
リヴァイ「・・・。」
マーレ「・・・お前にはもう、俺がいなくても大丈夫だ。」
ユリア「嫌だ・・・!!マーレがいなきゃ嫌だ!!!」
マーレ「リヴァイ。」
リヴァイ「・・・!」
マーレ「ありがとう。・・・ユリアを、宜しく。」
そう言って、マーレは後ろに下がった。
リヴァイ「マーレッ!!!!!」
リヴァイは壁の向こうに落ちていくマーレを追いかけていく。
それと同時に、調査兵団の人達もマーレを追いかける。
マーレ「“全員止まれ”」
そうマーレが言うと、全員の動きが止まった。
リヴァイ「クソッ・・・!!マーレッ!!」
マーレ「・・・俺が弟で、ごめんね。“兄さん”。」
リヴァイ「・・・!!」
マーレ「貴方に会えてよかった。」
リヴァイ「マーレッ!!!」
マーレ「“ ”」
マーレは静かに呟くと、目を閉じた。
さようなら。
下に群がっていた巨人の一人が、マーレを食べた。
ユリア「・・・あぁぁぁぁぁああぁぁぁあああっ!!!」