第16章 行方
「・・・綺麗な朝日だ。」
マーレはウォール・シーナの上で朝日が昇るのを見ていた。
マーレ「・・・。」
マーレは長いようで短かった調査兵団での生活を思い返していた。それは、あっという間で、楽しくて・・・。
マーレ「・・そうか。楽しかったんだ。」
マーレは空を見上げて呟く。
マーレ「だから、短いんだろうな・・。」
ガチャガチャと、立体機動装置の音が近づいてくる。
本当に、短かった。けれど、本当に、
マーレ「生きてて、良かったと思った・・。」
「マーレ・キール。貴様を連れて行く。」
ズラリと壁の上に並ぶ憲兵団。
憲兵1「抵抗すれば、地下牢にぶち込むぞ!!」
マーレ「・・・うるさい。」
憲兵2「大人しく従え。」
憲兵の一人がマーレに近づく。
ヒュッと音がしたかと思ったら、ゴトンッ・・・と、首が壁の上に落ちた。
憲兵3「・・き、さま・・・!!」
マーレ「お断りだ。俺は、家畜じゃねぇんだ。」
憲兵1「マーレ・キールを取り押さえろ!!!!」
一斉にマーレに飛び掛かる憲兵。
マーレ「人数がいるからって勝てると思うなよ。」
スッとマーレは左手を構えた。
昼頃、ミカサとエレン、アルミンはマーレ捜索の為にローゼ内を飛び回っていた。
ミカサ「・・・いない。」
アルミン「マーレさん、一体どこに・・・。・・?」
ウォール・シーナの真下で群がる人達が見えて、3人は降りた。
住民1「誰がこんな事を・・・。」
エレン「・・・あの、何かあったんですか?」
住民2「上から滴ってるんだ。この赤いの。」
3人が見た物は、上のほうから滴っている、赤い大量の液体。
しかし、少し黒く、匂う。
エレン「・・・これ、って・・・。」
ミカサ「・・・血。」
アルミン「壁の上で、誰かが殺されてるって事だ。・・・それも、かなりの人数だよ。この血の量。」