第15章 マーレ
エルヴィン「・・・マーレは、どういった子供だったのでしょうか?」
ローナ「それは、どのように育ったのか?という事を聞きたいのかしら?それとも・・・どのような出生なのかという事をお聞きになられたいのかしら?」
アルミン「!マーレさんの出生をご存じなんですか!?」
ローナ「娘たちは気にしなかったけれど、一応養子にする子の素性はね。」
ユリア「・・・聞いてないわ。」
ローナ「言わなかったもの。娘たちにも言ってないわ。」
エルヴィン「・・・出自の方から、お聞かせ願いたい。」
ローナ「いいわよ。・・・マーレ自身はもう忘れているでしょうけれどね。」
ミカサ「・・・。」
ローナ「幼いマーレに唯一聞けた、兄弟の話からマーレの血筋を辿る事にしたの。」
リヴァイ「・・・マーレには、ユリア以外の兄弟がいるのか?」
ローナ「えぇ。異母兄弟。・・・マーレと、血の繋がりのある年の離れた兄弟よ。」
ユリア「・・・!」
ローナ「マーレの両親は生粋の東洋人。父親の方は東洋人とバレないように髪を染め、トロスト区で生活していた男。医学をかじっていたらしいわ。母親は、森の奥でひっそりと暮らしていたそうよ。・・・マーレの母親の一族には、力があったと言われているの。」
人によって力は違うらしいわ。ある人は、天気を操る力。ある人は、心の声が聞こえる力。
マーレの母親は、自然に愛される力だったそうよ。幼いマーレの母親が歩いた跡には綺麗な花が咲き並んでいたと森のふもとに住んでた人から証言が出たの。
エレン「・・・じゃあ、マーレさんの力って・・。」
ローナ「母親の血が流れてるからね。」
エルヴィン「異母兄弟という事は、その兄弟にはその力はないんですね?」
ローナ「・・・えぇ。」
アルミン「・・・。」
ミカサ「・・・?アルミン?」
アルミン「・・・幼いマーレさんから兄弟の話を聞いたという事は、マーレさんのお兄さんかお姉さんがいるって事ですよね?それで、年の離れたって・・・。」
アルミンは驚いたような顔でローナを見る。
ローナ「・・・調査兵団には、鋭い子がいるのね。」
エレン「・・・?」
ローナ「マーレの異母兄弟は貴方なの。・・・リヴァイ兵士長。」