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届かない空

第15章 マーレ







ローナ「・・・それじゃあ、本題に入りましょう。ユリア、要件は?」


ユリア「ストヘス区の惨状、ご存知ですよね?」
ローナ「・・・えぇ。建物が多く崩壊したとか。」
ユリア「両親を失った子供を引き取って、育てる事にしました。そのために、お金がいるんです。」
ローナ「・・・人数は?」
ユリア「3人です。一応、3人の意志を聞いて、里親を募集しようかとも思ったのですが、いずれの子にも反対されまして。」
ローナ「・・・なるほど。随分と懐かれたようね。」
ユリア「・・・私は、エレン・イェーガーの監視役である以上、調査兵団に身を置きます。いつ死ぬかはわかりません。・・それでも、私は、あの子達の成長を見届けたいのです。」


ローナはじっとユリアを見て、穏やかに笑った。



ローナ「・・・わかりました。教育費はこちらで全て手配しましょう。ついでにその3人の養子手続きをこちらでしなさい。貴女はまだ結婚すらしてないんだから。」
ユリア「・・・憲兵にそのように伝えます。」
ローナ「そうして頂戴。・・・大きな要件は、今のだけみたいね。」




リヴァイ「マーレの事だ。」
ローナ「・・・なるほど。だから貴方達も来られたのですね。」
リヴァイ「昔から、あの能力はあったのか?」
ローナ「私が知る限り、マーレの能力は・・・ユリアが幼い頃に攫われた時だったと思います。」
ユリア「・・・え?私、攫われた記憶なんて・・。」
ローナ「えぇ。貴女はショックで記憶を失ってるはずよ。」


エレン「ユリアさんが、攫われた・・?」
ローナ「孫贔屓にきこえるかもしれないけど、ユリアは綺麗な顔立ちをしてるでしょう?貴族階級だし、お金目的で誘拐されたのかと考えてた私達に、マーレは言ったわ。“早くしないと、ユリアが売られちゃう。”ってね。・・・そこでようやく私達は人身売買の目的で攫われたのではと気付いたわ。」




マーレはポニーに乗って走って行ってしまってね。

半日経とうとしたくらいで、マーレはボロボロのユリアを連れて帰って来たのよ。
どうしてユリアの居場所が分かったの?って聞いたら、鳥たちが教えてくれたって、私にこっそり教えてくれたの。






マーレ「それが、初めてよ。」





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