第15章 マーレ
ガチャッと扉を開けると、使用人達が姿を見せた。
使用人1「・・・ユリア様、ですね?」
ユリア「・・・随分久しぶりね。」
使用人1「ご無沙汰しております、ユリア様。大奥様は上にいらっしゃいます。」
ユリア「・・・上がっていい、という事かしら?」
使用人1「えぇ。その部屋ならこの人数全員座れますから。・・・ご案内いたします。」
コンコンッと扉を叩くと、はいと穏やかな返事が聞こえた。
使用人1「大奥様、ユリア様がお見えになられました。調査兵団の方々とご一緒です。」
「入っていいわ。」
ギィと扉を開けると、一番奥の窓から外を見ている老人がいた。
使用人1「後でお茶をお持ちいたします。」
ユリア「お願いね。」
「・・・ユリア、8年ぶりね。元気だった?」
ユリア「おばあさま、お久しぶりです。後ろにいる方達は調査兵団の人達です。」
ローナ「ユリアの祖母のローナと言います。お噂はかねがね聞いておりますよ。」
エルヴィン「・・・こちらこそ、いつも寄付金を頂いているご婦人がまさかユリアの祖母だったとは・・。」
ローナ「ふふふ。さ、どうぞお座りになって。」
そういってローナは席に座った。
ローナ「本題はお茶が来てからでもいいかしら?」
ユリア「えぇ。元からそのつもりでした。」
ローナ「我が孫はよく分かってるわ・・・。あら、貴方がエレンくん?」
エレン「あ、はい!エレン・イェーガーと申します!!」
ローナ「元気があっていいわね。貴方のお陰で、孫たちの近況が知れたわ。ありがとう。」
エレン「・・・貴方は、俺が怖くないんですか・・?」
ローナ「怖くないわよ。貴方は人類に攻撃するために巨人にはならないのでしょう?」
エレン「・・・!」
ローナ「さ、座りなさい。もうすぐ使用人がお茶を持って来てくれるから。」