第14章 作戦
憲兵3「・・・何をふざけた事を・・!!」
ユリア「これは命令です。従いなさい。」
憲兵4「貴様の命令に従う義理はない!!」
ユリア「キール家当主の命令です。従う事が出来ないと?」
憲兵1「・・・!!」
ユリア「もう一度だけ言うわよ。ストヘス区の修理費は全額私が負担してあげます。その代わり、マーレ・キールをこちらに速やかに渡しなさい。」
憲兵2「一兵士の貴様の指示なんぞに従えるか!!」
ユリア「・・・巨人が出現してから、お前たちは何の役に立った?避難誘導をするのも遅い。状況確認も遅い。現実を受け入れられない。そんな人間共がよく兵士を名乗れるものだ。」
憲兵2「・・・何だと・・。」
ユリア「お前たちの行動が遅かったせいで死んだ人間も大勢いる。そんな事も受け入れられないのか。」
憲兵2「黙れ!!」
ユリア「私を殺したければ殺せばいい。・・・キール家が黙っていると思うなよ。」
憲兵2「・・・!」
憲兵1「・・・本当に、全額負担して頂けるのですね?」
ユリア「私に二言はないわ。・・・全額負担し、父母ともに失った子供の世話はキール家がいたしましょう。」
ハンジ「・・・ユリア、あんな事約束して、良かったの・・?」
ユリア「おばあさまにお小言貰うだけ。大した事じゃないわ。」
ハンジ「お小言で済むんだ・・・。」
ユリア「・・・子供の数も、少ないもの。」
ハンジ「・・・?」
ユリア「多くて5人くらいでしょうね。」
憲兵1「状況は。」
憲兵2「・・・想定されていたよりもはるかに被害者が少ないです。この辺りでは誰も亡くなっていません。・・・ユリア・キールの誘導で、全員が助かったと証言が。」
憲兵1「・・・ユリア・キール・・。」
憲兵3「報告します。父母ともに亡くなった12歳未満の子供は3人。12歳以上で父母ともに失った子供はいません。」
憲兵1「・・・そうか。その子供らは?」
憲兵3「2人は保護済みです。もう一人は、ユリア・キールが連れていました。」
憲兵1「そうか。すぐに手続きをしろ。」