第13章 真実
翌朝、ユリアはオフショルダーのミニドレスを着ていた。
背中は開いていて、腰の位置でリボンを結び、スカートはふんわりしていて、踵の高いヒールを履いていた。
エレン「・・・その、格好は・・?」
ユリア「シーナ内に住んでた頃の普段着。」
エレン「綺麗です・・。」
ユリア「・・・お世辞を言っても何も出ないわよ?」
エレン「お世辞なんかじゃ・・・!!」
ガチャッと開かれた扉。
リヴァイ「おい。憲兵団が来た。」
ユリア「・・・そう。」
スクリと立ち上がるユリア。
リヴァイ「・・・。」
ユリア「また後でね。リヴァイ。」
ユリアはエレンと馬車に乗り込んだ。
ユリア「・・・マーレね。朝日を見るのが好きだったの。」
「・・・。」
ユリア「夕日よりも、明け方に昇る太陽が好きだったらしくて、朝起きたらいない事が多かったなぁ。」
「・・・あ、の・・。」
ユリア「あぁ、ごめんね。独り言だから、気にしないで。・・・幼い頃、珍しく早起き出来たからマーレを探したの。そしたら、マーレ庭で動物と話してたのよ。」
お前たちは、自由でいいな。
ユリア「私達だって自由でしょ?って小さい私は思ったけれど、あの頃からマーレは気付いてた。私達は自由じゃなかった。この壁の中で生きるという事そのものが、自由じゃなかった。」
ユリアはどこか遠くを見ている。
ユリア「マーレは、何を感じてたんだろうな・・・。」
いつものように服を着て、ここ最近で当たり前になったベルトを締める。それからパーカーを羽織って、フードを被る。
ガチャッとドアが開いて、ダリスが入って来た。
ダリス「マーレ、気を付けて行ってこい。」
マーレ「・・・はい。行ってきます。」
マーレは窓を開けて飛び降りた。