第13章 真実
マーレ「・・・そろそろ、お開きの時間のようですね。」
モア「もう時間も遅いですもの。」
マーレ「・・・また、お会いできますか?」
モア「私なんぞで良ければ、ですけれど。」
マーレ「貴族の方で貴方のような方には久々に会いました。」
モア「ふふっ。私は世間知らずですからね。」
マーレ「本当の世間知らずは、このような場で和めませんよ?」
モア「あら、私和めてました・・・?」
マーレ「えぇ。」
モア「・・・それは、良かったですわ。」
マーレ「また、次お会い出来たらまたお話ししましょう。」
モア「えぇ。」
そう言って、マーレは去ろうとする。
モア「マーレ様っ!」
マーレ「・・・?何でしょう・・?」
モア「言葉にしなければ、伝わらない事もありますわ。私たちは人間。言葉の意味を理解するのにも時間を必要としたりする物です。それでも、言葉にすれば必ず伝わるものです。」
マーレ「・・・。」
モア「マーレ様。もっと、ご自身を大事になさって下さい。貴方は、誰かに心から必要とされているのですよ。」
マーレ「・・・ありがとうございます。覚えておきますね。」
そう言って笑ったマーレがどことなく寂しそうに見えた。
ダリス「・・・帰ったか。随分と晴れやかな顔をしている。」
マーレ「ダリス総帥。明日、行きたい場所があります。」
ダリス「・・・。」
マーレ「どうしても、行きたいのです。」
ダリス「・・・良かろう。見張りもつけん。気を付けていきなさい。」
マーレ「!ありがとうございます。」