第10章 夢のような昨日 ーーーーーホストナンバー2
[スウ···!今は朝だよ!]
[え?]
と彼の余韻が残りつつ顔真っ赤なまま、私はマヌケな声を発してしまった。
[···あ·········、さ·················································]
スウさんはいつもの雰囲気にみるみるうちに戻り、また感情が無いように無表情。瞳も目的地が分からないように漂っているようで、瞳孔も戻る。
[???]
そんな何かさっきの緊張感(?)の無くなった中でも、背中から出る隼人さんのオーラが···!
[スウ、いきなり昨日会ったばかりの女の子を抱き締めるってそれも非常識だよ。いくらスウだからって許される訳ないよ]
い、いや···昨日隼人さんに慰めだけど正面から強く抱き締められたけど···。って思ったが、放課後に衝撃的過ぎることがおこったので、口がパクパクして顔が真っ赤にしかならなかった。
[·········山田····、さ·····ん······················]
[ハッヒッ··!?]
彼の声で呼ばれた瞬間、心臓が跳ね上がる。
[·············ご···、···め···············ん····································]
[··!]
お姫様抱っこされた時と同じくらい、いや、それ以上に掠れた声を出された。何故か、とても胸が窮屈で、泣きそうになるくらい痛くて、とても切なくなった。
あれ、なんかデジャブ感ーーー?
[とにかく]
何かが頭の中で甦りかけた時、それを裂いた冷たい声。隼人さん···!?
[次山田に手を出そうっていうなら、俺スウに何するか分からないよ。これは、ーーーー]
[え??]
隼人さんが、スウさんの耳元に顔を近付けて何か呟いた。
何か、私は思った。隼人さん、ちょっと怖い···。
どうして、そんなに····?