第10章 夢のような昨日 ーーーーーホストナンバー2
[··山田······さ····ん···················]
スウさんだった。
[スウさんっ!!]
顔が紅潮していくのが分かった。思わずスウさんの方へと。
[き、····昨日はすみません]
顔を合わせた瞬間、すぐに溺れるように惹き付けられそうになったから、恥ずかしくなって顔を背けた。····くっ、神々しい!!!!
[·····んで················]
スウさんは、これまでに見た事のない顔をしていた。
[?ど、どうしたんですか?]
とそこに隼人さんが来た。[ん?スウどうしたの固まって]
隼人さんも違和感を感じたようだ。
無表情に限りなく近いが、スウさんの瞳は、瞳孔は、明らかに開いていて、揺れていた。
[山田さんじゃない]
[え?]
そう聞き取るが速いか遅いか、いきなり私はーーーーーー
[スっスウ!?!?]
彼の腕の中にいた。
[·········あ····????]
声を振り絞ったけど、私の頭の中は真っ白になった。
あの時、慰めて後ろから抱き締めた感じのと違う。スウさんは、私の髪にキスをした。
[!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!]
私は真っ赤になり、脳がグルグルグルグル回りだした。
離れようとしたけど、スウさんに捕らえられた私の身体は、心臓しか動く事ができなかった。 [いああああのっっ······]
[可愛い声····]
甘過ぎる吐息交じりに言われて、頭をクシャッとさせられた。
ただそれだけで、·····それだけで、愛しそうに撫でたのだと痛い位に分かった。
今まで心が無い感じだったのに、今の
[ねぇ、·····どうしてそんなに[ああ、あのスウさ····]
その蜂蜜にホイップクリームをかけて砂糖をどっぷりとかけたような声と言い方に心臓がはち切れそうなほどバクバクしていた。
すぐ目の前には、どんな女の子でも恋に落ちてしまいそうな色っぽさ溢れる匂いと、白くて肌がとても綺麗なのに思ってた以上に肉感的な胸筋···ドキドキし過ぎて窒息しそうだった。
[······[スっ、スウちょっと!!!]
と隼人さんが私からスウさんを引き剥がす。そして隼人さんは私の前に出た。
彼の匂いと人間的な温もりの感触が身体中に残り余韻が離れようとしない。