第9章 夢夜、始動 ーーーーーーーーーーー全員
[何で分か[あまり詮索するな]
私は一瞬、本当にほんの一瞬悪魔野郎が止まったように見えた。
悪魔野郎は、振り向かずに続けた。
[アンタだって死んだ両親のこと詮索されたくないだろ]
[っ···!]
体がビクッと反応し、途端に心臓がガンガンと全身に血を送る。
顔が真っ赤なのか真っ青なのか分からなくなる。
耳を壊すように鬱ぎ、頭をクシャクシャになる程振っても振っても振っても
[や···な···に言って·····?]
やっと絞り出した声は強張っていて、また頭が真っ赤にヂラヂラとしたモノが浮かんだ。ああ、遅かった、又ーーーーーー
[またママに会いたいのか~?ギャハハハハハハハハハハハハハハ
[ち·····が·········]
[暗~い!何両親無くした位でそんなになってるのー!?構ってほしいの[だから····や]
その瞬間、
[う···]
[アンタ]
悪魔野郎の容赦無く低く鋭い声は、私の隠していた厳重で頑丈な箱を砕いた。
[違う、違う違う違う違う違う違う違う違うっっっッッ!!!]
[静かに]
[ぐぐっ!]
[んむむんんむむちがっむッーーーーーー!!!]
[声出すな]
[お···かさ··]
[っ重、·····倒れたか]
[おとう··········さ]
[今何て、というかお前はそのまま寝ろ]
[········っ]
[今日は色々ありすぎて疲れたんだ、体力無し女。ーーーーーー
明日はもっと···やしま····い········に]
意識の糸は、そこでプツリと途切れた。