第9章 夢夜、始動 ーーーーーーーーーーー全員
美男ホストの迫力に圧倒されたお客様は、目をそらして
[あ、あああの方で···]
[わぁっ··!ご指名ありがとうございます、レディ··]
と手を胸に少し礼をした悪魔野郎がそう言った後、たちまち顔が赤くなるお客様。
うわ···表面上だけにしといてよお客様、性格ヤベェから!!!
と、思ったが、作り笑いをして見送った。[私はあの方を]
[ご指名ありがとう、そのピアス綺麗だね]
[ご指名アリガトウ、子猫チャン···♪]
[ごごご指名ございまッあご指名ありがとうございました··ッッ!!]
あちこちでキャアッ、とーー子猫達の声が可愛らしく鳴り響く。
昼間に見かけた女性陣が、あんなに乙女になるなんて、流石です、美男子様々様々様々方!!!
と思いながら、私も胸がトキメくのを感じていた。
各々、昼間の時と違う顔、違う雰囲気が漂っていた。
私は、受付しながらもポーーっとその姿に見惚れていた。
だが、
[あの方を[は、ハイッ]しまった···!高い声が!!
[女性らしいですね] [い、イヤイヤ、そんな!]
ヤバい··女ってバレそう!
と気を張ってあまり油断してられなかった。
今日はスウさんホストやっていない。しかも4人でホストなんて出来ないから、この街の他のホストの方にもいっぱい来てもらった。
[あんまり緊張しないでーー!!] [飲も飲も!]
ホストには、花形ーー美男子様々方と盛り上げ担当の方がいるらしい。
というかーーーーー 私はあるホストの方を見た。
[Aあ、今夜キミはボクのもの、ボクはキミのものだから···]
私は彼の手の動きに注目。
[ああ···ありがとうございます]
声を高くするお客様を見てハァハァするの我慢してる、手は危うく彼女ーーー[すスウさんッっっ!!][··································?、]
スタッフルームのドアを開けて小声でスウさんに駆け寄り、頭を重くした。
[あ、ああアノー、くくさんお縄かかりにいきそうなんですけど]
と初日早々問題行動を犯しそうな様子に私はカタコトになった。
[···彼······、···は··············、·····大······丈夫··························]