第8章 戦う蟻の、賭け砂糖は誰の手に ーーーーホストナンバー7&4
[お客様、大丈夫ですか?] [!~ーーーっっ(ッッ)]
危険を察知した。その瞬間、私は葉太郎くんをかばうようにサッと前に出たが、遅かったーーーそこにいるのが、男の店員さんでも。
[っっっきゃあっははははーーーんん!!!!!]
店員さんの口がそう動き、足を内股にさせ、体をくねらせて
コチラに近付き[ぎゃああああああああああああああああああああ]
男の店員、いやオネェの野獣が鼻息を荒くし、両者断末魔の叫びをあげたのが、デスマッチーー試合のゴングだった。
[山田ッッ!!ッくッ] [ダメ!!!アナタは逃げて!!]
葉太郎くんが、全筋肉をフルに足に使う私に、手を伸ばした
[こんの小娘があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!! っっっジェッッッラシィィーーー!!!!!!!!!!]
[わっ、山田! 、葉太郎っだ大丈夫っ?]
[山田だけを連れてオレだけ置いてきぼりしようとすんじゃねぇッッ! 大丈夫じゃねぇだろッ!!どう見てもッ]
[ちっ違う違うっ、アレ[そういえば、スウさんは?!]
私はハッとする。 ヤバい、スウさんがっっっっっっ!!!
[スウさっ]
振り向くと、やっぱりスウさんはそこで立っていて
[ダメっっいくらスウさんでもあんなっ]
[山田ッ(っ)··!!!]
二人の美男子様々方が、早く、とせかす
[ぎゃああははははっっっ!!!!いや~~んんん!!!!!!!]
ヨダレを撒き散らし、スウさんにたかる野獣の目は、さっきより格段に狂っていた。 自我を失ったライオンのように
[ダメですスウさっっ!!][だめだ、山田っ]
身を乗り出す私を、二人は許さなかった。
スウさんは、まだ立っている。背筋が伸びていて、
芯のある、目が眩みそうな程動じてない。
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スウさんの唇の端が視界に入ったあと、野獣の後ろ姿で見えなくなった。