第7章 双子の1番小さな林檎飴 ーーホストナンバー4
隼斗さんと菜太郎が隣で話している中、私は放心状態だった。それと同時申し訳ないと思う気持ちが押し寄せてきた。
イヤイヤあの悪魔野郎に申し訳ない、じゃなくて葉太郎くん···
チラッと葉太郎くんを見た。普通に悪魔野郎を睨んでいた。
どうして?? 視線を元に戻し、私は素朴な疑問を抱いた。
憎んでいる相手の悪口聞いて、あんなに怒る?
私が口を滑らせたのが悪いことは知っている。それは置いといて
さっき葉太郎くんがネガティブになっていたのは、
お客さんが自分じゃなく、悪魔野郎目当てで来たと思ったから。
ーーう~んやっぱ兄弟って色々タイヘンなんだー!??
いないからイマイチ分かんないけど~
そんな事を思ってボケ~ッとしてたら、
[お・い!!! 何ボケッとしてんの? ただでさえ会った瞬間ずっこける程注意力無いのに] [なっっ!?!!]
悪魔野郎が呆れた様にこっちを見下ろしてた。
ーーー我慢よ我慢っっ コイツはこういう奴なんだってっ!!!!
[よしっ! じゃあ、皆でホストの時の服買ってこよっ]
悪魔野郎の声と違い、爽やかな王子様々を見てほぅっ··(酔)とした。 [ふ、服ッ!?!] [うん、そうだよっ!これから買おう!]
隼斗さんが明るい声で皆を促し、玄関へ向かう。
私は修学旅行気分で外に出た。
ササ、サッサッサささ最高ーーーーーーーーーー!!!!!!(奮)
美男子様々方とお買い物♪♪なんて、もう一生出来やしなぅいっ!
[そう言えば、アイツ、くくの服はどうするんだよ!??]
隣にいる葉太郎くんが言った。
[僕が選ぶ。]
1番前にいた悪魔野郎が、圧をかけて言った。
[そんな圧かけなくても別に···ねぇ??]
[そっそうだよなーッ!]
聞こえているのか聞こえていないのか相変わらずツンッとしていた。 ···というか!
[あ、あのさ葉太郎くん、] 私は隣に耳元で小声で言った。
[お、···ッおぉうなんだ!?]
少し顔を赤くしてギクシャクと挙動不審に動く葉太郎くんを不思議に(可愛く)思ったけど、続けた。
[なんかさ··隼斗さんとくくさんも怪しいけど···]