第7章 双子の1番小さな林檎飴 ーーホストナンバー4
[あれ??? 悪魔や(しまった)おほーん、菜太郎くんは?!」
自分でも驚く位、衝撃が走った。
山田は、奴の事を少しでも"悪魔"と言った。 ただそれだけ。[なドンッッッッッッッッッ!!!!
[おい·····あいつの前では、悪魔···とか絶対言うなよ·············?]
オレは山田を睨んだ。彼女は、少し怯えていて、??と顔が訳が分からない、というように眉を曲げていた。
ッあッッ!!!
「すッ、すまん山田ッッ!! ビックリさせてッ!!]
オレは慌てて彼女から離れた。 ーーああ、失礼過ぎだろッッ!
「い···や········、私こそごめんなさい!!」
「イヤッッ、お前は悪くねぇよッ!すまんッッ]
[・・・・・・・・・・・・。]
部屋に少し気まずい雰囲気が流れる。
[····っ]
ガチャッ
[····何? さっきまで鬱陶しい位にお喋りしてたのに、いきなり静かになって·····]
ドアを開けたのは、弟の菜太郎。静かにしてても不快だ、というのが顔に出ている。 じゃあ、どうしろっつうんだッ!!?
[あ、ああ菜太郎、大丈夫だったの!?]
隼人が奴の登場をきっかけにこの空気を変えようとする。
····すまん隼人、そしてサンキューッ!
[見て分かるでしょ。 というか、こんな空気にしたのは誰だか何となく分かるけど?] [!!ッッ]
オレの方をじっくり見て、またバカにしたように奴は笑った。
こ、コイツッッ!!
[っまぁまぁ、くくは?]
[部屋で休んでる。で? その女は? 承諾したの?]
隼人と菜太郎が会話している中、オレは思った。
大大大大大嫌いだッッッッッ!!
皮肉に笑われる度そう思う。人が言い返せない時にわざとらしく(わざと)痛い所をつく、なんてモンじゃねぇ、舐めるんだ。
その方が攻撃的じゃねぇとこがムカつくんだ!!
一度傷付いたところを舐めて、しみて苦しそうな顔を嘲笑う。
むしろ攻撃的の方が良い。 痛みはすぐ来て、その後も痛いが舐められるより痛みはすぐ引く。 だかーーー