第15章 人生初の..デ、デ..?
[どうしたんだよ急に呼び出してッッ!]
オレは、相変わらず無表情のスウを見た。なんか空気が怪しい。
[....ね...、....ぇ........................................]
と、途端に、スウが距離を詰めて来た。
[なッなんだよ!?]
思わずビックリして、距離を取ろうとしたーーオレの腕に、スウは自分の腕を絡ませる。
距離が奪われる。
[んッッ!?]
そうして、スウは少しかがみ、オレの耳に口を近付けた。
[....山田さ......ん........のこと.....
...........好......きなの................................?]
[はッッ!?!?]
ズザザーッッ!!とオレはスウから離れる!
[え、好っ、好きって....ッッ!!?]
ななっなんでそんなコト急にッッ...ていうか顔、熱ッッ!
スウは、空ろな瞳で、口を開く。
[...."ぼく"....に.......奪われ......て.....いい.....の
.............さっき....やっ......たみた....い.........に..............]
ッッ!?!?
[オッ、オイスウッッ!!どういうことだよッッ!?]
スウはニコリともせず、かと言って挑発するようでもなくそろそろ行こう、とだけ言ってオレは慌ててスウに付いて行った。
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[そ、そこで、ちょっとスウと話ししたんだ]
どどんな話を!?
[そっ、そっか]
と、私は聞けずに黙った。スウさん、どんなのをしゃべって..?
私は、スウさんを振り返り、
[スウさ]
小声で話しかけた瞬間、
ぎゅっ
[はぎゃっ!?!]
なんの前振りも無く、スウさんに抱きしめられた。
この後、隼人さんがハッとして私の体とスウさんの体を離すまで、スウさんは何かを呟いた。
あの時の、とても甘く、愛おしく、誰かを求めている声と同じーーー
[スウっ!何してんのっ!]
ハッとした。
破裂しそうなドックンドックンの心臓が、彼の体と引き剥がされる。
[スススススススウざんっっ!?!]