第15章 人生初の..デ、デ..?
き..
汗が、やばいい。
おばあちゃんに行けと家を追い出されて泣く泣く城っぽい建物に来た、ら、
[邪魔なんだけど]
[ッッ......]
葉太郎くんが菜太郎を少し睨みつけ、ハッとして視線をずらした
ーーー方に私がいて、葉太郎くんが首を逆方向に曲げーーた先に悪魔野郎のはあ?顔。
[くく、部屋から出てこないし、何があった?]
何があった?の声が異様に頭に響いた。
あの闇の濃さで輝く、くくさんの潤んだ瞳が脳内で再生される。
私は下を向き、口をつぐんだ。
き、
ーーー気まずい。
[...太もも........、つねら....ない...方がいい.....よ、赤....くなっ...てる.......]
[あ、ありがとうございます..]
そんなところつねってたのか、と私は手の力を緩めた。
唯一普通に話せるスウさんも、とても優しいんだけれど、無表情で、いきなりーー
突拍子のないことをする人だから、美しいだけに、なんか、妙に威圧感がする..。それと、普通に、ドキッとするし。
[...........................................................]
スウさんは、葉太郎くんの方を少しの間、見た。そして、
[...ちょっ......と、ついて...きてく....れな......い................?]
葉太郎くんの目の中を見た。
[あ、ああ、いいぜッッ]
葉太郎くんは、この空気から逃れるように、じょうろを持つスウさんに、一回転びそうになってから、付いて行った。
ドアが閉まる音を聞いてから、私はもっと焦った。
どうしよう、この空気。