第15章 人生初の..デ、デ..?
[しつこ....]
菜太郎は先程出会ってしまった。クッキーをわざと焦がした真っ黒な物質を持つ女子達に。
適当に天使の笑顔をお見舞いした後、華麗にUターン。で、
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葉太郎、か。今日は面倒臭い奴らにたくさん会う。
何かやらかした後に見せる、葉太郎の表情に、僕は馬鹿らしいな、と眉をひそめた。
[...........]
葉太郎の姿が近付く。
菜太郎は、葉太郎に話しかける程、双子の兄には興味など一瞥も無く、嫌悪感しか無かった。
葉太郎は、今の状況で興味が無いということは無いが、どうも前向きな方の意味ではないことが、彼の様子からビンビン伝わってくる。
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同じ顔の2人が、一瞬、並ぶ。
[おい]
菜太郎は、猫背の葉太郎を振り返らなかった。歩を進める。
[?]
菜太郎は、少しばかり違和感を覚えた。葉太郎が、問題を起こした自分に、おい、と言ったーーーのだと思った。
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葉太郎は、何か言いたげに口を開き、だがそのまま口をつぐんで行ったのだった。
何か、いつもとは違うーーーーーーー
だが、菜太郎はそう思っただけで、理由を考えることもなく、気にかけることもなく、葉太郎を待つことなく、特にいつもと変わりなく下校した。
双子の兄と、帰る先は一緒だと分かっていても.........