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ご指名は?

第15章 人生初の..デ、デ..?



[イヤ、なんでもねえッッ......!!]


葉太郎くんは、波打つように体を震わせた。

[??葉太郎く]

その瞬間、私は葉太郎くんに両腕を掴まられ、

バンッッ!!!

[いたっ.....!]

[山田っっ....]

壁に押し付けられた。

[ちょ..近......っ!]

目の前に、さっき悪態をついたやつと、同じ顔の造りをした男の子がいる。

離れようと手をもぞもぞ動かした。だけど葉太郎くんはビクともしない。

前髪が触れ合ってぢりぢりとする。

[えっ....ちょ、葉太郎っく........?]

あまりの出来事に私は固まってしまった。

不意に、フッと、葉太郎くんの顔が近付いた。

[ーーーーーーーーーー!!!!!]

接着しそう。

私は反射的に目をつぶってしまった。え、ええええこれドラマとか映画とかではーー、ど、どうすれば

ゴンッ。

[..え?]

頭に無数の星が回っている私の肩に、葉太郎くんの頭の重みを感じた。

[なんでずっと、あいつのこと見てんだよ......]

小さな声で、彼は言った。だけど、その声はジリジリと燃えていた。

[え..]

葉太郎くんは、顔を上げた。そして、顔を私から背ける。そして、そのまま教室から出ていった。


静かな足音が聞こえなくなった時、私は、壁に背中を擦った。

[え、?]

床の冷たさが、今の私には気持ち良く感じた。



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