第15章 人生初の..デ、デ..?
[っ痛....]
[理科子ちゃんっ!!]
理科子ちゃんが、みみ、という女の子に押され、倒れた。
[アハハ!!超ウケるう!見た!?今の倒れ方ー!]
キャハハハハハハハハッ!と後ろから声が聞こえた。
[黙りなさい!!]
私は叫んだ。知らない内に声に出ていた。
フー、フーッと前を見据える。その時私は、多分凄い形相だっただろう。女の子達は肩を震わせ、それでも強がった。
[な、...フ、な、何調子乗ってんの?]
ドッッ!
[っ!]
私は、背中をみみに蹴られ、倒れた。
私のその姿を見て、また安心したように笑い声が追ってくる。
[すみませぇぇぇえん!邪魔なんですけどお!!キャッハハハハ!]
そのまま私と理科子ちゃんは、5人の足で壁に避けられ、そのまま脚で壁に押さえつけられた。理科子ちゃんはくっ..と苦しそうだった。
[脚を退けなさい!!理科子ちゃんに乱暴するんじゃないわよ!!]
普段見ない私の言葉と視線から逃れるように、みみ達は上を向き、
[ええ〜?そんな乱暴な言葉使ってると、ママとパパだけじゃなくて友達までいなくなっちゃうよおお〜〜?[
[っーーーーー]
息をするのを忘れた。
[料理もママから教わってないからそんなに下手なんだあ〜!!]
私が何も言えないのをいいことに、みみ達はキャハハハッと笑い続ける。
[やっ、やめなさいよっ、っく、低脳女、ども!っぐうっ]
[ウケるうー!!何その姿?ちょうブザマー!!]
理科子ちゃんに、次何かしたら足の骨折る..!!
[あっ、みみ!あとちょっとで菜太郎君だよ!脚退けよ]
[あっうんそうだね!あ、ごめんねえ〜!]
その声の調子に反省の色が全くないみみ達は、脚を退けて私達の前に割り込んだ。
[理科子ちゃん大丈夫??]
[それはこっちの台詞よ、大丈夫?]
[僕にくれるのーこのクッキー?]
[うんっ!菜太郎君が好きそうな砂糖いっぱい詰め込んじゃったあ!]
猫撫で声でそう言うみみ達を見て、舌打ちしそうになった。
[そうなんだ、ありがとう!]
と、渡してもみみ達は菜太郎の周りに引っ付く。
[君は?]
その、悪魔野郎の、天使モードな綺麗なおどけた顔を見て、私はなんか腹立った。
[あっ..はい私もクッキーを...ほら!こちらも!]