第14章 夜のプリンセスの化身 ーーーーー全員
真剣過ぎる葉太郎くんの態度に、
[あっ!だ大丈夫だよーっ?!]
エヘヘと私は言った。今度は声が裏返り、お客様とホストの男の人がヒソヒソと何かを話し始めた。
[そッ、そうかッッ・・・]
と、言葉を最後まで告げる前に葉太郎くんは私に背を向けた。そのまま足早に去っていって小さくなる彼の姿をぼんやりと眺めた。
[ボクを、褒めないで‥.ッッッ!!!]
ズアッ、と眼前に広がるくくさんの美しい素顔。
ーーあの瞳は、ダイヤモンドの価値を一瞬で奪った。..そして、真っ黒だった。 [あの?スイマセン!]
はっ、とモヤモヤな闇が裂かれた。
[し失礼しまぃたっ!!]
お客様の、もう何10回目か分からない冷ややかな視線を浴びながら、私は慌ただしく動き始めた。
くくさんの姿を目で探すが、人が多くて見つけられず、視線を戻した。
[つ、次のお客様ぁ〜、]
[ハイ...あの..]
あ。あのショートのかわゆい女の子! [聞きたいコトがあって...]
[どうされました?]
とニコッと微笑んで対応するが、少しちゃんと答えられるか不安になる。
と、その途端、ショートのかわゆい方の顔がポッと赤くなった。
[あ、あの、....あの..ぉ.....]
[ん??]
と、気付いた。ショートのかわゆい方の、うつむいた可愛い顔が、だんだん赤くなってきている事に。
こ、コレは?
[....っ!]
ショートさんは、キョロキョロと周りを見始めた。
ーームムム??
ショートのかわゆい女の子は、
[すっ...すみません...っ!]
ガシィッッ! [へェッ!!?]
と、そのまま私の袖を引っ張って外に出た。
ビュウウッッ、と夜風が吹いた。
コレって、もしや、もしや..告白ゥーーーッッ!?!?