第3章 感情のある無表情ロボット ーー ホストナンバー1
[···い、や··がって···る·····よ···?]
"ぼく"は彼にスッと背を向け、彼女の姿が見えないようにした。
[わっ···!?
Oッッ?]
眼球だけを彼に向けた。その瞬間、"ぼく"は はっとした。
彼······· "ふつ う"······じゃ··、ない·········。
"ぼく"が見詰めた瞳は、"ぼく"の表情に、異常な程興奮の色を
濃くしていた。
だけどその瞳孔には、墜ちないように、今にも崩れそうな 崖に 必死にしがみついているようにしか見えなかった。
[··君っ········、]
[な、なぁもう行こうぜ!! いつまで部屋の前にいるつもりだ!]
"ぼく"は はっとした。
[っっ··くく!!!! 速くこっち来て!!]
[OKッッ!!]
ズカズカと部屋に入っていく男性の後ろに、彼は素早く付いていった。
[あっ! 鈴ちゃん、そしてスウ!部屋に入って!!]
何が起きたのか全く分からない、という彼女を抱えて、"ぼく"は彼らの後ろについて行き、部屋の中へ入った。