第13章 熱出しプリンセス ―ー―ー―ホストナンバー4
[え···イヤ、何でもって···]
と、私はたじろいだ。葉太郎くんも、熱だし··。
[葉太郎も休んでてよ。早く治ってもらわないと]
と隼人さんが言ったが、葉太郎くんは胸を張り、
[さっき熱計ったらオレ平熱に戻ってたんだよッッ!]
[熱治るの早っ!]
隼人さんと私はビックリした。葉太郎くん、免疫力強お··
[まだ鼻はグスグスするけど元気だぜッッ、だから···山田、何でも言ってくれ!!]
[えええ···!]
何か頼もしい!だけどいきなり!!
[ねぇ、くく]
階段を上る最中、菜太郎がくくに問い掛けた。
[ムムム???]
菜太郎の後ろに付いてくるくくが言った。
[山田 鈴ーーー、あの女がお気に入りになったの?]
相変わらず鋭く、どこか冷たい声音で菜太郎は言う。
[ウンンッッッ!!!]
即答で跳ねるくく。ボサボサの髪がフワッと上がった。
[くくがお気に入りする程の奴じゃないと思うけど。何で?今までお気に入りした女はあんなタイプの女じゃなかったでしょ。]
菜太郎は普通に疑問を抱いていた。
[ンンン~~~ッッッ何でダロ???]
くくはアゴに手をあてた。単なる気まぐれだろう、と思った菜太郎が何か言おうとした時、
[ナンか違うからッッッ!!!]
と、くくはガバッと顔を上げた。
[そう?まぁ、ちょっと変わっていると思うけど、そんなんでもないでしょ。あいつみたいな女、山程いるだろ。]
[ボクチンのキュゥゥトボーイッッッ!!!お気に入りっていうだけで本命のレディはまだナッシングッッッ!!!]
とくくはごく普通に否定した。それにィィィッッッ、と続ける。
[お気に入りのなりかけだスィッッッ、ナンか今までと違うかりぁお気に入りになるかどうかは分からなウィィィッッッ!!!]
とくくは気まぐれにそう言った。が、菜太郎は、
ーーーあの時、僕がムチで叩いて止めろって言っても中々従わなかった。そんな態度、お気に入りの女にしか見せない。
だけど、お気に入りのなりかけ?何か違うって嫌な予感するんだけど···。
あの女が、くくのお気に入りの1人ねぇ。
そう思いながら、2人は部屋に入っていった。
[それじゃあ買ってくるねっ!行ってきますっ!]
隼人さんが私の為に食料を!