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ご指名は?

第13章 熱出しプリンセス   ―ー―ー―ホストナンバー4



[···ゴホッ。]


静かだな··。あれ?

[ゴホッ、げふっ、···っゴボッゴボッ!]

急に喉に辛い違和感を感じ、咳が出始めた。

[···う、ぅん]

あれ、こんなに喉痛かったっけ。[あづ··ゴボッゴボッ!]

ていうか、こんなに体熱くてダルかったけ。

[····]

静かだな、と思った。喉が締め付けられるような痛みと同時に、

胸の下らへんも同じようになった。

[ゴボッゴボッ、ガハッ、ゲフッ··!あづ··]

体をゴソゴソと動かしてもだるい、頭が重い、熱い

[げぇっ···ゲホッッ!]

喉辛い。喉痛い。だるい。急に苦しい。


『大丈夫····?』


え····?

そう言って、誰かが私の背中をさすった。それは、懐かしい匂いと感覚。

私は涙目でずっとぬいぐるみに抱きついていた。

··あれは、私ーー?

とゼェゼェかなり熱い息を切らして思いながら、私は目を閉じた。

私は赤ん坊か。遠い昔の事を思い出して、泣いてしまうとは。

涙も熱のせいか熱い。何故だか、止まらない。

「うぐ··っ、ズビッゲホッゲホッ、]

堪えようとしたら、喉が泣き叫ぶ。

咳としゃっくりが混じる。止めどなく塩分は頬を伝る。

辛い。喉痛い辛い。だるい。

「あづ·····ゴボッ、ガハッ、ゲフッッ···!!]

『大丈夫よ、すぐ治るわ··。それまでずっと隣に居る』

熱かったのに、私の頭を撫でる手は冷たかったのに、その手は暖かかった。

ーーその暖かさを、私は知っている。

[···ゴボッ]

喉乾いた。早く飲み物持ってきて下さい。スウさん。辛いんです。胸の奥が溺れたように、必死に助けを求めているんです。

···なんて、

絶対、言えない。私はもう小さな子どもじゃない。

その時、足音が聞こえた。[スウざっ···]思わず声が出た。喉が痛む。だけどそんなのどうでもいい。私の耳に入ってきたのは、ドタバタと激しい足音。ガチャッ!


[山田ッッ···つつづらくないかッッ!大丈夫かッッ··??]

[山田、顔凄く赤いよ大丈夫!?冷やさなきゃっ!][···スポーツ··ドリ····ンク··も····一··応····持っ···てき··た、アイス···食··べる·····?][うっわ··、熱上がってるよ。][J・k~~~ッッッ!!!]



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