第13章 熱出しプリンセス　　　―ー―ー―ホストナンバー4

[イヤイヤイヤ自分で食べられますからっ!!]


と、拒否しようとしたけれど、熱出しててお粥を食べさせられるのは普通でむしろ断った方が変だと思ってた、食べよう··と決意。

[い、いた··いただきます····っ]

と口を開けて、頂く。

[っ··!]

私は口に手を当てて、思わず言った。[んん、美味しい···!]

[···良かっ····た··················]と、ふいにスウさんの目の形と口の形が緩んだ気がした。

[···!スウさんわっ··アっ、イヤスミマセンこれ美味しいです!!ありがとうございます··っっ!!]

お粥のトロトロとした食感に梅の酸味がマッチして美味しかった。シンプルで良い感じッッ!

スウさんが作ってくださったお粥を堪能してたら、隼人さんが聞いてきた。

[山田、もうちょっと俺お粥作る?いっぱい作ったんだけど菜太郎に食べられて··]

[!!イヤイヤそのお気持ちだけでもうお腹いっぱいですっ!!]

と私が言ったら、隼人さんはちょっとばつが悪そうに、

[ごめんね、俺の作る料理は味が壊滅的って友達によく言われるんだ。山田が熱だから頑張ろうって美味しくなるように頑張ったんだけど、ダメだったみたいっ!]

とちょっと悲しい事を言っているのに、慣れているのかニコッと笑い、隼人さんは私の前のお粥を取ってキッチンに戻した。

[ごめん、こんなの食べさせてっ、スウの食べてっ!]

と食べ続ける菜太郎の隣で、普段通りに明るく言う彼。悲しさは全く感じられない。

[隼人さんっ!!]と私は言う。

[あ、いいよ気を使ってくれなくて[違います]私は彼の言葉を遮り、隼人さんは私の方を振り向いた。

その爽やかなイケメンの程よい笑みに押し潰されそうになりながらも言った。

[ほ···本当に、嬉しかったんです··]

シンとなる。私はちょっと視線を隼人さんから外して言う。[あっ味とか関係無く··ッッ!友達でもなんでもないのに、私の為に作ってくれた、それが嬉しかったんです··]

視線をそらしていて、隼人さんは今、どんな顔をしているんだろう。と考える。

[だっだからお気持ちだけでお腹いっぱいなんです!]

本当に嬉しい気持ちを必死に伝えた。胸が熱い位に暖かい。