第12章 熱気の中で ーーーーーーーホストナンバー5
[···くく···]
と、背中に逃げてまだ顔真っ赤でカタカタ震えている私を見て、
隼人さんはくくさんの方を向く。
[····大···丈夫···········?····こ···れ············。]
と、濡れて寒くなって鳥肌が立っていた私にスウさんがフワフワの布をかけてくれた。
ドキッとまた心臓が跳ね上がり、優しい、スウさん···。とその暖かさに思わず安心して涙がじんわり。
[ッッ!!山田ッッ、何かアイツにされたのかッッ!?]
と、私の肩をガシッと抱く葉太郎くん。[!!!]私は思わずその力強い手を振り払った。[っあ···ごめんなさい、葉、葉太郎くん··]
そんな私の様子を見て[···あッッ、す、すまんッッ····]
[声五月蝿い。]
おいお前。
と、物音(くくさんの)よりも怖~いオーラが。勿論私ではなく、前にいる隼人さん。怖い。
[ねぇ、くく···山田に何したの?]
と、もう空気がヤバい事になっている。え、あ、あの、そ、そんなに空気張りつめさせなくても···!
[ぅエエ~???]
と、あまり危機感感じていないくくさんだけれど、隼人さんがヤバい事には気が付いているみたい。え、い、いや、あのう···
だけれど、くくさんは本当の事を喋ろうと口を開けて、
[jkとお[オンラゴラくく!!アタシによく水かけやがって!!!]
とくくさんの腰に右足を乗っけ、頭グルグルのまま私は言った。
[えっ、山田っ?]
とそんな私の様子を見て、目を点にさせる。
[いや違うんですよ~隼人さん!何かくくさん寝ぼけて私の部屋に入っちゃったみたいで、寝ている私に、(エーとエーとっ!!)何かバケツの水ザバアーッてやっちゃったみたいなんですよ!!ねぇ!!くくさ[ゥゥゥエエえ違ムガモガ][ネ!!そうでしょ菜太郎君!!]
ポカーンとする皆様の中で、後ろで笑いを堪えている(絶対コイツバカだなとか思ってる顔だ!!)菜太郎と相変わらず無表情のスウさんがいた。
―ー―ーオイ!!お前くくさんのパートナーだろ悪魔野郎!!ちったぁフォローしろ!!
と足までジタバタして暴れる(興奮している)くくさんの口を両手で封じていたら、[まぁ、くくは寝相がスッゴク悪いからね。]
ブフゥ~、ホッ。