第8章 夢見る少女は揺れ動く
エミリー達はレンタカーを借りてセルフのガソリンスタンドでガソリンを入れることができた。
「うまくいったわね。このカードはしばらく預からせてもらうけどずっと借りたままだとバレるかしら?」
エミリーは皮肉たっぷりに言った。
「それはあり得る。本人が気付くのも時間の問題だし、カード会社が止めるかもな。」
メイソンが遠くを見るように唸った。
「しばらくしたら返した方がいいな。しばらく・・・明後日にカードを返すことにしてお金を少しずつ抜き出そう。」
「そうね。了解!」
ジャックの言葉にエミリーが頷いた。
この日はメキシコ内のお店に入った。運良くバレることなくタコスとトルティーヤを注文して代金を払うとみんなで美味しく食べることかした。
「あそこの席に座ろう。」
ジャックの指示で席に座った。
タコスとトルティーヤとコーラで乾杯してかぶりついた。
がぶりっ!!!
「美味しい!」
なんだか久しぶりに食事が美味しく感じた。
タコスにかぶりついてコーラで流し込む。コーラの炭酸が喉を刺激して街の暑さを忘れさせてくれる。
活気付いたマーケットでは人々でごった返していた。皆んな重い思いに食事やショッピングを楽しんでいる。ここはエミリー達を誰も怪しむ人はいなかった。むしろ楽しげに陽気で愉快な人達で溢れていた。
「ぷはぁー!」
ガラス瓶に入ったコーラを半分飲み干して声を上げたエミリーが満足そうな表情をしていた。