第10章 エピローグ
あれから数年が経った。ジャック達の素行の悪さは瞬く間に地元のみならず世界中のニュース番組や新聞で取り上げられてしばらく話題になった。ジャックや他のマフィアの仲間達はメキシコの地元警察に捕まった後、アメリカの大きな収容所に送られたらしい。
そしてエミリーはメキシコの地元の病院に搬送されて死亡が確認された。死因は銃で撃ち抜かれたショック死だった。
病院には警察より知らせを聞いた父と兄のジェイデンが駆けつけてくれた。
「何やってんだよ!?エミリーッ!!!」
ベッドに横たわるエミリーを見てジェイデンは悔し涙を流しながら叫んだ。
「エミリー・・・。」
父は突然のショックから言葉がうまく出せなかった。しかし病室には母の姿はなかった。
エミリーは体を綺麗に拭いてもらい、霊柩車で火葬場に運ばれることになった。
父と兄は最期までエミリーを見送った。
なんとあっけない17歳の生涯だった。
やっと最愛の人もできた。ノアとこれから愛を育んでいこうと思っていた。しかし彼女の少しの光は閉ざされてしまった。
・・・・。
エミリーはアメリカの生まれ育った街の墓地に埋葬された。葬式は行わず、焼かれた遺骨を父と兄で拾い、壺に入れてお墓に埋葬することになった。
今は十字架の墓に色とりどりの花をあしらった花輪が飾ってある。兄と父で時々、お参りにきている。
そしてエミリーとマフィアの仲間達は世界中の中で衝撃的な指名手配犯としてこれからも語り継がれるだろう。
THE END