第8章 夢見る少女は揺れ動く
ジェイデンは勘違いや嘘の噂をはらすためにYouTubeに動画を上げた。
「みなさん、こんばんは!僕の顔見たことある人はたくさんいますよね?正直に言いますが妹のエミリー失踪事件の兄のジェイデンです。何故このタイミングで動画を上げているのかというと色々言いたいことがあるからです。」
ジェイデンは三脚に設置してあるスマートフォンに向かって口を開いて話し始めた。
「僕はたった先日、働いていた仕事を辞めさせられました。僕なりに一生懸命に働いていたのに犯罪者の兄という理由だけで解雇なんておかしくないですか?こんなのおかしいです。もしニュースで言ってたようにエミリーが本当に犯罪者なら認めざるを得ないと思います。ですが僕自身は犯罪に手を染めた覚えもないしやっていません。ですが、エミリーが実家に来た時に玄関先で話したのは本当です。あの時は僕は実家に帰って母と話していました。その時に突然インターホンが鳴って出たらエミリーでした。急いでるみたいであまり話はできませんでしたが、元気そうだということは確認できました。本当にそれまで事件も有耶無耶になっていてまさか自分の妹が犯罪者だなんて夢にも思いませんでした。なので一連のニュースや警察官からの事情聴取で全て知りました。ここで僕の思いを言わせてください!」
ジェイデンは一呼吸置いてからこう叫んだ。
"くそー!エミリーの馬鹿野郎!!お前のせいで人生めちゃくちゃだ!どう責任取るんだ?"
力いっぱいにそう叫んだ後、ペットボトルの水を飲んでジェイデンは締めくくった。
「僕は妹と血のつながりがあるだけで潔白だと世間に公表してみせます!なので犯罪者の兄というだけで仕事を採用しないのはおかしいと思います。こんなの理不尽だ!以上です。まだ話し足りないことがあれば動画にまた載せます。ですが今話した内容は全て事実です。」