第8章 夢見る少女は揺れ動く
エミリーは色んな人が下げているバックを見極めた。
「よしっ!」
カードをゲットすることはできたものの暗証番号がわからない。
「ダニエル・マディソンという男性のカードみたいね。」
「早く車に戻るぞ!」
「うん。」
ジャックの声掛けに皆は一目散に車へと走り出した。
走る車の中でカードを見つめるジャックとエミリー。運転はベンジャミンが担当することになった。
「暗証番号まで千里眼が効くかしら?でもカード何て見たことないわね。」
「そうか。見られる範囲内でいいぞ!」
エミリーはカードをじっと見て何かを呟いた。
「5698・・・1240・・・8843・・・6295・・・う~ん。もう少しでわかりそうなのに。」
「やっぱりエミリーの千里眼なんて当てにならないじゃねーの?」
「お黙り!」
ノアの冷やかしに冷静に注意するエミリー。
「ATMの前で色々操作してると返ってバレるわね。何とか一発でわかる方法はないかしら?でもお金を引き出したところでメキシコってどんなお札でコインなのかしら?」
「メキシコ・ペソというお金を使っているらしい。この札の画像見ろよ!」
ジャックがスマホで検索したものをエミリーに見せた。
「なるほどね。メキシコ・ペソか・・・。」
「地方では米ドルからしか両替ができないので、米ドルを持参した方が便利。 観光地やホテルでは、米ドルでの支払いも可能ですだってよ。でもドルもあとわずかだぞ。どうするよ?両替って言ってもな。」
ジャックが考え込んだ。
「それもそうね。でもこの人の口座からお金を引き出せばメキシコ・ペソが使えるかもしれないわ。あとはお金の数え方や支払いの時のやり方を研究すればうまくいくわよ。」
エミリーが思い付いて言った。
「それは名案だな。しかしメキシコもずっといるわけにはいかないから車のガソリン代となんとか資金を調達したらブラジルに渡ろう。ブラジルに行くには飛行機代がいるから稼がないといけないし飛行機に乗るならこの車も乗り捨てないといけない。向こうに着いたらレンタカーを探そう。」
ジャックの言葉にみんなが頷いた。