第8章 夢見る少女は揺れ動く
「ねえ、リスクがあるのはわかっているの・・・だけどハリウッドに行ったらパパに会えるんじゃないかしら?」
エミリーがジャックに聞いた。
「う~ん。」
ジャックは考え込んだ。
「エミリーの言ってることも間違ってはいないがリスクが大きすぎる。警察も注意して見ているんだろうしこればっかりは・・・。」
「みんなのことは友達だって言っておくから。ダメ?」
「それなら・・・ノアとエミリーで行ってこい!年もそんなに違わないしカップルだって言えばいいさ。」
「はぁ?カップル??なんでエミリーとそんなことまでしていかなきゃいけないんだよ?」
ノアは不満そうに言った。
「あら、たまには私の願いも聴いてくれてもいいでしょ?この間のハンバーガー半分あげたのは誰かしら?」
「わかったよ。行けばいいんだろう?」
エミリーの剣幕にやられてしまいノアが渋々了承を得てくれた。
ハリウッドに着きエミリーとノアは変装をした。そして街の中を歩くことにした。
「いい?私達はカップルっていう設定なのもっと体を密着して腕をからめないと。」
「わかってるよ!やればいいんだろう。」
エミリーはこの選択が間違っていないと確信した。
私達はカップルだからと言い聞かせていると次第に意識してくる何かが見える。
あんなに毛嫌いしていたノアも徐々に仲良くしてくれようとしている。今は渋々了承してくれているけれど最初に出会った頃はそうでもなかった。
ノアが徐々に性格が変わってきたように思えた。
「でも結局は了承してくれたのよね?」
「うるさいな!」
「静かにして!あまり大きい声を出すと返って目立つわよ。」
私達が歩いていると遠くにレッドカーペットが見えた。
「凄い人だかりね。あっ、あれは?」
レッドカーペットを颯爽と歩く一人ン度安静に目が釘付けとなった。
「あれを見てよ!パパだわ。」
「よし、近くまで行ってみよう。」
思いもよらない再会だったが果たして気づいてくれるのか?