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ボスとマフィア

第6章 あれから時が経ってー


エミリーは人ごみの中の一人の男をじっと見ていたが知らない人だろうと首を横に振り飛行機の中に入って行った。
怪しまれることもなくエミリーたちはアメリカに向かった。


エミリーは飛行機の中で今までのことを振り返っていた。

今までいろんな国を渡ったわ。イギリス、フランス、スペイン、クロアチア、ポーランド、オランダ、フィンランド、ノルウェー、中国、日本、オーストラリア、ブラジル・・・。
本当に楽しかった。沢山の残骸を見た。みんないなくなればいいと思った。
みんなはどうして私をあざ笑うの?今は憎しみしかないこの世界を私は変えたい。そうやって仲間達とやってきた。

私は16歳になった。普通なら高校に通ってダンスパーティーをして素敵な彼氏をゲットしてるんでしょうね。でも私には縁のないことだわ。だって・・・。
「あら?」
エミリーの横でノアが寝ていた。ノアの顔がエミリーの肩にもたれかかっている。
喧嘩もしたけどノアとも色々あったなあ。

こうしてエミリー達を乗せた飛行機はアメリカに渡った。

★★★
「やっと着いたな。」
ジャックが言った。
「起きて着いたわよ。」
エミリーはノアを起こし一緒に飛行機から出た。
「ここ見たことがある気がする。」
空港を出たエミリーは街中を見回した。
「そりゃそうだろう?覚えてないのか?」
ジャックがエミリーの耳元で囁いた。
街の中を歩くとビルが立ち並んでいる。
暫く進むと公園があった。
「あそこのブランコ?」
エミリーは公園の前で立ち止まった。
「ああ、エミリーと出会った場所だな。」
ジャックが思い出して言った。
「そうね。はっ・・・。」
エミリーはここでようやく家族の存在を思い出した。

憎しみしかない母親、悲しそうに家を出て行った父親、喧嘩するほど仲がよかった兄。
「会いたい・・・。」
エミリーはこの時初めて涙を見せた。
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