第5章 少女の瞳に映る黒い影
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「送り先、ガラス張り・・・?群居ってことは群がって住んでる所ってことだよなあ。」
ジャックは思い出しながら歩いた。
ガラス張りの建物ならいくつもあるが今一つ違う感じがしたからだ。
しばらく歩いているとベンジャミンが指をさした。
「あそこじゃねーの?」」
「よし、行ってみるか。」
みんなはごくりと唾を飲み込んで走って行った。
「おい!こんな所にトマトが落ちてるぞ。」
そこにメイソンがトマトを見つけ拾ってみんなに見せた。
「変だな。なんでこんな所にトマトが?」
ジャックはこの時何かを諭していた。
★★★
エミリーは檻の中で脱出できるか考えていた。
「どうしよう・・・。そうだわ。銃があればおびき寄せることができわね。早速探しましょう。」
目を凝らして銃を探す。
「どこにあるのかしら?」
あそこの応接間は?
「ないようね。」
暫く目を凝らしていると研究室が見えた。
「ここは?」
そうだわ。スクリーンのある部屋だったわね。前も来たじゃないの。
その時人の気配を感じたエミリーは見つからないように目を凝らしていた。
「ははっ、あの少女はまだ生きてるんですか?さっさっと銃で脳を打ち破りましょうよ。」
手下が男と一緒にやって来た。
「いや、もう少し太らせてからだな。よし、昼食を持っていくとしよう。脳をたっぷり太らせた方がいい研究結果がでるだろうからな。」
男は笑っていった。
「あの手下の腰に銃がぶら下がっているわ。なんとか取らなくっちゃ。」
2人が話に夢中になっていいる隙に銃を取る作戦に出たエミリーは男達を見ながら銃をそろりと手下の腰から抜いた。
「今よ!」
パアン!
「しまった!」
「あのお嬢ちゃんか?」
エミリーは急いで銃を自分の檻の近くに持ってこさせると勢いよく窓ガラスに向かって銃を放った。
窓ガラスとともに格子戸も割れた。
パリン!
「早く逃げないと!」
エミリーは何かよじ登るものを探していたがそんなものはなく外に銃を投げ捨てて浮かすと銃を放ったのだ。
ババッバアン!
「何だ?」
そこにジャックが目を疑った。
「間違いなくエミリーはこの建物の中にいるらしい。ベンジャミン。中に入れそうな所を探してきてくれ。」
ジャックがベンジャミンに指示を出すと彼は勢いよく駆け出して行った。
「了解です。」