第5章 少女の瞳に映る黒い影
エミリーは必死でもがき、超能力を使おうとしたが男の大きな腕に包み込まれてしまい無駄であった。
「それではお嬢ちゃんは頂いていこう。」
それからしばらくしたある日のことだ。
エミリーは知らない別世界にいた。
「ここは、どこなの?」
周りを見渡すと自身が檻の中に閉じ込められていることがわかる。
「私は何故ここにいるの?」
柵を握り締めて辺りの様子を伺うと誰かがこちらに歩いてきた。
ガチャッ。
「いや~。君を捕まえるのは大変だったんだよ。」
「えっ、どういう事?」
「やっと捕まえたー。」
サングラスを掛けた男が檻の中のエミリーに嘲笑っていた。
「君を捕まえるのに1年はかかったよ。」
男は檻の中のエミリーに笑いながら言った。
「何がしたいの?何の目的で私を連れ出したの?」
エミリーは男に鋭い視線を向けた。
「おお!怖いなあ。そんな顔をするなんて。まぁ君にはあることに協力してもらいたいんでね。」
「何ですって?」
「私にも君の能力が必要なんだよ。そこで君の脳を取り出して君のIQを調べようと思ってね。いや~いい研究結果になるだろうなあ。こんなことしたら世界初の奨励だと賞をもらうだろうね。」
「酷いわ!あんまりよ・・・うっ。」
エミリーがそう叫んだ時に檻の中に煙のようなものを感じた。エミリーはとっさに自分の手で口を押え檻の中で倒れ込んだ。
ドサッ
「あははっは。哀れな少女だなあ。もうしばらくこうしておくか。」
男は笑って部屋を出て行った。
バタン!