第1章 プロローグ
それからまもなくしてエミリーは保育園へと上がり友達も出来始めていた。そんなエミリーは保育園での遊びの中で超能力を開花させていった。例えば友達とおもちゃで遊んだ後の後片付けの時もエミリーの超能力であっという間におもちゃ箱におもちゃが片付けられたのには周囲を驚かせた。また、クラスのみんなと先生とでお絵描きをしていた時は落書き帳に描かれた絵が空気中に浮いたりした。そしてエミリーのもう1つの超能力である千里眼はクラスのみんなと先生とでピクニックに出かけた時に起こったのである。エミリーはまだ開けていないランチボックスのおかずを全て言い当てたのだ。そしてどれも答えは当たっていた。初めはまぐれだと思っていた周囲の人々もやがて彼女を褒め称えるようになった。これが大人だったら警戒していたのかもしれないが彼女はまだたった3歳という幼さもあり周囲の注目を一気に浴びた。それからエミリーは両親とともに心理カウンセラーの先生の所に通いこれは一体何なのか調べてもらった。すると彼女に超能力があることが確認され、すぐにでも超能力の大会に出て才能を開花させるべきだと告げられた。そんなエミリーの両親はやがて彼女に希望を託しありとあらゆる超能力の大会に出させようとエントリーさせてきた。勿論、両親は兄への愛情も忘れずに注いできた。小学生だった当時の兄は痩せておりテニスをやっていたのでよく彼女と両親とで試合の応援に駆けつけた。この時もエミリーはテニスの知識が無知な状態にも関わらず相手の行動を読み取り次にどんな技が繰り出されるのか次々言い当てたのだ。
こうしてエミリーは両親の期待を買ってしまい家では常に良い子でいることを心がけていった。