第4章 必ずしも正義が勝つとは限らない?
「でもこれはアメリカでなくてオーストラリアの事件だけどね。」
エミリーはまたしても過去の事件を目の当たりにしてしまった。その後ジャックが人が死んでいく所はどうだったのかエミリーに尋ねた。
「とてもきれに撃ち抜かれていたわ。最高だったわよ。」
エミリーは過去の中の人々の死ぬ瞬間を目の当たりにした。銃が彼らの心臓を打ち砕き粉々になっていく姿はまさに芸術だと思ったからだ。
これにはジャック達も感心した。
★★★
「まだあの少女は見つからないのか?」
「探してはいるのですが・・・。」
男は警官を見下して言った。
「何をくずくずしておるのだ。徹底的に彼女を探し出すのだ。私の目的は分かっているな?」
「はい、十分に承知でございます。」
「ならよろしい。お前は下がって業務を全うしなさい。」
「かしこまりました。失礼いたしました。」
警官が去って行くと男はモニターを見つめた。
「必ず少女を見つけ出し仕留めるのだ。そう知ればあのマフィアどもの血の気も引き去っていくだろうからな。さすれば平和は訪れるものよ。それにしてもあの少女は厄介だな。一層の事殺しても・・・いいか。」
男はふっと笑った。そして自室を去って行った。
★★★
エミリー達は爆破の事件をニュースで散々見た。
「なんだか見飽きちゃうくらいこのニュースばかりだね。」
エミリーは退屈そうにあくびをした。
「なぁ、次のスズラン大作戦だけど誰の息の根を止めようか。エミリーは誰がいいと思う?」
ジャックがエミリーに聞いた。
「全世界の人々。みんな。」
エミリーはあくびを手で押さえて答えた。
「それじゃあ、話になってねーよ。」
ここでベンジャミンが割り込んで言った。
「他の奴は誰がいいと思う?」
ジャックは他のみんなにも聞いた。
「そこらの大学の教授とか。でもスズランの花を忍ばせるんだよな?誰かに見つかったら大変だぞ。」
メイソンが考えて頷いた。
「そうか・・・。」
ジャックはスズランの花をエミリーの超能力で誰にも気づかれずに忍ばせることはできないか考えていた。
「見つからないようにするには相手の行動をいち早く察知していくことが大切かもな。」
ジャックは考えながら言った。