第4章 必ずしも正義が勝つとは限らない?
自分の車を運転しながら通行人を次々に射殺。そして数百メートル離れたガソリンスタンドに到着するや、そこにいたカップルの女性を射殺し、相手の男性を車のトランクに押し込めて再び運転した。コテージに到着した犯人は男性を車のトランクから引きずり出して車に火をつけた後、男性と共にコテージに立てこもった。
数百人の警察とマスコミ、野次馬がコテージを取り囲んでいたが、コテージのオーナー夫妻やガソリンスタンドから連れ出された男性の情報が掴めず、コードレスホンの電池切れで犯人からの連絡はすぐに途絶えた。また、建物の周囲が遮蔽物のまったく無い広い芝生だったこと、コテージの主人が銃のコレクターで屋内には多数の武器があること、電波状態が悪くてスナイパーと指揮所の連絡ができなかったことなどの理由で特殊部隊の突入も見送られ、一夜が過ぎた。犯人の男と引きずれ出されたダンsネイはどんな一夜を過ごしたのかしらね?
事件の翌朝、コテージから出火するや、犯人が飛び出してきて、すぐに取り押さえられた。焼け跡から、オーナー夫妻、ガソリンスタンドから連れ出された男性の遺体が発見された。後にオーナー夫妻と犯人が知り合いで、彼がカフェに向かう途中ですでに夫妻を射殺していたことが判明。
「おい、エミリー。」
誰かの声がする・・・。
「別に悲しくなんてなかったわ。マーティン・ブライアントの生き様をかっこいいと思ったんですもの。彼もAR-15アサルトライフルの魅力に取りつかれたに違いないわ。そのあと彼は高機能自閉症であることが分かったの。でも事前に現場を下見していたなんてすごいと思わない?」
「エミリーまさかまた過去が見えたのかい?」
エミリーはジャックの声で目を覚ました。その時に口にしていた言葉がこれだったのでみんなは驚いていた。
「たぶんね。」
「これってポートアーサー事件の?」
「なあにそれ?」
エミリーはおかしくて笑っていた。
するとジャックが事件について詳しく述べたのでエミリーはその過去を見たと言って答えが一致した。