第3章 光と影
「お前も十分ガキだろ!それに今はそんな事行っている暇はねーぞ。」
メイソンがノアの頭を軽く叩いた。
「いてえな。」
ノアが叫んだ。
「ノア、静かにして。今プログラミング中なの。あまり大きい声出すと誰かに聞こえてバレるわよ。」
エミリーは静かに注意した。
「エミリー、できそうか?」
ジャックはノアの叫びを無視してエミリーに聞いた。
「ええ、できたわ。あとはここをクリックするだけよ。」
エミリーは自信たっぷりな表情を浮かべ最後の行動に取り掛かった。
「いくわよ。えいっ!ポチッとな。」
エミリーの手によってボタンが押されパソコンの画面に文字が沢山流れ込んできた。
「さて、行きましょうか。」
エミリーは椅子から立ち上がり笑顔で言った。
「でも空港に行くにしてもここは一体どこなんだ?」
メイソンはテントの外を見て言った。
確かにメイソンの言う通りである。エミリー達は警察狙われていたはずだった。しかし気がついたらこの荒れ地に着いていたのだ。ジャックも無我夢中でハンドルを回していたためここへどうやって来たのか覚えていないという。
「あっ、ここに方位磁石があったぞ。」
するとベンジャミンがテント中で見つけた方位磁石を手にした。
「南の方向か。よし、南へ進んでみよう。」
ベンジャミンの方位磁石を見てみんなは南へ進むことにした。
方位磁石が決めた道筋を辿っていく。いつどこへつくかもわからぬままただひたすらこの楽園から消える事ができたらどんなに楽だろうか?しかしそれは無理だろう。なら、せめてここから脱出しなくてはならない。これは終わりの見えない過酷なゲームかもしれない。エミリー達に多大なるミッションが課せられクリアしていかなくてはいけないからだ。その為にはどこかに潜むヒントを得なくてはいけないし自分らで探さない限りそれは出てこない。さぁ、過酷なゲームへと繰り出そう。エミリー達は一台決心をしてこれに臨んだ。もう後戻りはできないこのミッションに。今はただここからの脱出方法を考えながら南へ進むだけだ。健闘を祈る。