第3章 光と影
エミリー達を乗せた車は繁華街の中に入った。ここで車を止めたジャックは”店に入っていろ”とみんなを下すと駐車場へ車を止めに行った。
「お腹すいたね。」
時刻は夕方だろうか?あたりはすっかりオレンジ色から黒い世界へと変わるように街のネオンが光り始めた。
「今夜はここで夕食だな。」
メイソンが中に入りみんなに先に席に着いているように言った。
「俺は入り口でジャックを待つよ。」
「わかった。」
そしてしばらくするとジャックも合流してみんなで席に着くとメニューを広げ吟味し始めた。
「ここはスペアリブが名物だって。私はこれにするわ。」
エミリーが嬉しそうに言った。
「残すんだったら誰かにあげろよ。」
「はーい。」
ジャックがエミリーに注意した。
こうして食事が始まったがここでは作戦会議が外部に漏れないようにみんなにわかるようなジェスチャーやキーワードを決めておこうということになった。
「それじゃあ、そういうことでいいな。」
ジャックがみんなに促した。
「次はどこに行くの?」
エミリーは小声でジャックに聞いた。
「次は5番街だ。」
5番街・・・エミリーはその言葉を聞いて首をかしげたがすぐに思いついた。
そう言えばパパがいつも5番街のマリーへと言う歌を口ずさんでいることがあった。
エミリーは思い出して5番街のマリーへを歌った。するとみんなが口々に”なんだその歌?”と聞いてきた。
「パパがよく歌っていたのよ。五番街のマリーへと言う歌よ。私はこの曲いいと思うけどなあ。」
「ふーん。」
「でもこれから5番街に行くんだからマリーと言う女性を本当に探してみるのも面白そうだぞ。」
メイソンが笑いながら言った。
「それで片付けちゃう?」
「それいいね。」
エミリーが歌った歌に乗っかりマリーと言う女性を探して殺しちゃえ!と言う考えのようだ。果たして上手くいくのか?
「それにはマリーと言う女性を探す理由を考えなきゃいけないな。言葉を巧みに別の理由を考えよう。それとあまり手間を取ってるとあいつに見られたらまずいぞ。」
ジャックが言うあいつとは警察官のことだろうか?こんな会話がお店の中でされていたなんてお店の従業員は全く気が付いていなかったのである。