第2章 新しい世界の始まり
「ここだ。」
ジャックは遠くの駐車場に車を止めると”車の中で着替えろ”と言った。これに対して”狭くてヤダ”とノアは言っていたがしぶしぶ車の中で着替えた。
「これから会場入りするぞ。パーティーの中に紛れ込むんだ。いいな?」
ジャックはみんなに諭した。
「はーい。」
こうして着替え終えたみんなは偽の会員証を手に車から出て歩き出した。
「時間は大丈夫?」
エミリーが心配になってジャックに聞いた。
「まだ間に合う。」
歩きながらみんなの背を受けてジャックはそう言うと建物の中に入って行った。そしてみんなも次々と入って行った。
「ここは難なくクリアだな。」
メイソンが笑顔で言った。
エミリー達が建物中に入ると人がたくさんいて活気にあふれていた。今日はセレブ達が集う彫刻博覧会のパーティーだった。
「驚いた表情をしてるとばれるぞ。静かにな。」
ジャックは小声でみんなに合図した。
「静粛に!!」
そこにタキシードを着た男性が壇上に上がって叫び声をあげた。
「これから何が始まるの?」
エミリーが隣にいたベンジャミンに小声で聞いた。
「今に見てろって。」
ベンジャミンはウィンクして壇上の方を向いた。
「これより第35回彫刻博覧会を開催します。つきましては株式会社NNMホールディングス及び株式会社クリーン・ウォーター主催の博覧会となっております。皆さま心行くまでお楽しみください。」
男性はそう言い終えると一礼した。これには会場から拍手が起こり、エミリー達も拍手をした。
それから博覧会の説明があり自由行動となった。
「いいか、今から行動開始だぞ。」
ジャックはみんなに小声でそう告げるとそれぞれ行動へと移した。