第10章 エピローグ
その頃、ジャック達はエミリーを探していた。手分けしてあちこち探しているとエミリーの姿が目に入った。最初に目に入ったのはジャックだった。
「エリーナ!」
ジャックが大きな声で叫んだ。
人気もないし大丈夫だろうと思ったのだろう。エミリーもジャックの姿が目に入って返事をした。
「あっ・・・やっと会えたわね。」
「こっちに曲がれ!右だ。」
「わかったわ。」
エミリーはジャックとの再開を喜ぼうと足を早めた。しかし、後ろから男達が追いかけてきた。スプレーで目が眩んだはずだった男達がなぜ?
実はスプレーで目が眩んだあと男達はエミリーの姿を追った。部屋を探すと窓ガラスが破られていることに気づき、男達も窓ガラスから出て走り出した。ずっとエミリーの後を追いかけていたのだが、エミリーは逃げることが精一杯で後ろの男達に気づかなかったのだ。
「エリーナ後ろだ!」
「えっ?」
ジャックの叫び声に反射的に後ろを振り返るエミリー。それと同時に男達がエミリーに向かって銃を放った。
バアァン。
ババンッ。
ドゴーンッ。
ドサッ。
・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・。
「エミリー!!!!!!」
ジャックはこの時、我を忘れてエミリーの名前を叫んで駆け出した。その時、ノア、メイソンとベンジャミンが合流して慌ててエミリーの元に向かった。
「あっ・・・。」
ジャックがエミリーを抱き抱えた時にはすでに血が流れていた。
銃の弾は心臓のギリギリ横を撃ち抜いていたかに見えた。しかし、エミリーはぐったりして顔がみるみる白くなっていった。
「っ・・・・。みんな、今までありがとう。パパ、お兄ちゃん・・・ごめんなさい。ノア・・・愛してる・・・・。」
肩で息をしながら最後の力を振り絞ってエミリーは力無く声を振り絞ると目を閉じた。
それからエミリーの体は硬くなった。そして上半身が血に染まり時が止まったかのように動かなくなった。
「エミリー!!!!!どうして・・・。」
ジャックは悔しさでいっぱいになった。そして過ぎ去っていく男達の後ろ姿を睨むことしかできなかった。