第9章 交差する闇、絶壁の霹靂
ない、ない、ない、ない、ないっ・・・出口がないなんておかしいわ。
早くしないと男達が来てしまう。
ドタバタ走ってあちこち探した。今は千里眼を使っている暇はなかった。
あっ、ドアがあったわ。これかしら?
くっ、、、。
鍵がかかっていて開かない?ここも鍵が必要なの?
どうしよう?
「何してやがる?待ちやがれ!」
男達が迫ってきた。
ドアノブに手をかけるもガチガチと音がするだけで一向に開きそうにない。でも鍵を探してる暇もなさそうだ。
仕方ないわ、そう思いエミリーは男達の向こうに目を凝らしてスプレーを浮かせて持ってくると男達の顔に目掛けてスプレーをかけた。
「うわぁっ。」
男達が目を押さえてる隙に出口の鍵を探すことになった。しかし、時間がない今、出口の鍵を探しつつも窓から逃げられればいいと思った。
あそこにハンマーがあるわ。エミリーはハンマーを手に持って大きく窓に向かって振りかざした。
そこは見たこともないロボットや機械がずらりと並んでいる研究室のような部屋だった。
エミリーがハンマーを振りかざすとガシャンッと激しい音を立てて窓のガラスが割れて床に飛び散った。
もう一回、思いっきり窓にハンマーをかざすとまたしても激しくガラスの破片が飛び散り、大きな穴が開いた。
「今だ!」
エミリーは割れた窓から外に出た。もうドアの鍵などどうでも良かった。外にさえ出られればいいと思った。そして後ろを振り返らずに一目散に走っていった。
タッタッタッタ、
エミリーの足音が道路に響いた。
遠くに逃げよう、そればかりが脳裏をよぎった。
ジャッジ達のことはそれから考えればいいと考えながら走った。
はぁ、はぁ、はぁ。段々と息切れがしてきた。
それでもエミリーは諦めなかった。