第9章 交差する闇、絶壁の霹靂
ジャック達も考えていた。
「どうやって救出するかだな。」
「なんか過去にも似たようなことありませんでしたっけ?」
メイソンがジャックに聞いた。
「そうだな。まぁ取り敢えず、メキシコ内にはいるはずだから車に乗って探そう。」
ジャックはそう言って歩き出した。
「でも聞き込みも難しいですよね。どうします?」
メイソンの言葉にジャックは足を止めて振り返った。
「だからそれをどうするのか話し合うんじゃねーかよ。確かに聞き込みは難しいよな。まずはこの格好じゃまずいから変装しよう!」
ノア「なんの変装するんだよ?それに衣装をどこで調達すんの?」
「さすがにここは普通に支払おう。アイツの金でな。」
ジャックがニヤけた意味が皆んなにはわかっていた。そう、エミリーが奪った見ず知らずの人のカードで引き出した金で。
「まずはメキシコ警察の人がどんな服を着てるかにもよるな。」
ベンジャミンが考え込んだ。
借りてる車に乗って走り出して取り敢えず街中を探してみることにした。
「くそーどこ行きやがったーあの変な男!!エミリーをどこにやったーーー。」
「メイソン!気持ちはわかるが今は冷静になろう!俺たちまで騒ぐと怪しまれてかえって警察に捕まりかねないからな。」
ジャックは淡々と運転しながら言った。
「そうだよな。」
メイソンはそれから大人しくなり考え込んでいた。
あの時、男がエミリーの腕を引っ張ってどっちの方角に逃げたんだろう?