• テキストサイズ

ボスとマフィア

第9章 交差する闇、絶壁の霹靂


「何をやっているんだメイソン!」
ジャックがメイソンに平手打ちをした。
「しくじった!大事な戦略を逃した。お前しかスペイン語がわからないんだからお前が助けなくちゃならんだろ?」
声を一層に荒げて言うジャックにメイソンは頭を下げた。
「申し訳・・・ございません。」

ジャックがメイソンに拳をぶつけた。
ゴンッという鈍い音が路地裏に響いた。
「ジャックこれ以上メイソンを殴っても無駄だ。それよりエリーナを探そう!」
ノアがジャックに真剣な目を向けて言った。
「ほぅ、いつも不貞腐れていた奴が俺に口答えか!」
ジャックはノアの服の襟を掴んで叫んだ。
「よせ、あまり大きな声だと俺らの存在バレるぞ!」
ベンジャミンがそう言ってくれたお陰でみんなハッと正気に戻り我我に帰ったかのように静まり返った。

「ベンジャミンの言う通りだな。ここからは手分けしてエリーナを探す!それぞれがトランシーバーを持ってやり取りを行うこと。赤のボタンは俺に繋がる。緑はボブ、黄色はノアール、そして青はガリックだ。みんないいか?」
ジャックの言葉に皆んなが頷き、トランシーバーを手にすると一目散に走り出した。

ここでもバレないために偽名を使って行動することにした。

ジャックはエミリーの無事を信じていた。エミリーは超能力でなんとかやってのけると思っていた。
「しかしエリーナを連れ去った男はなんつーやつなんだ?メキシコで有名な奴なのか?でもこのままじゃ、マズイ!警察に知られるのも時間の問題か?早くしないと。」
ジャックはトランシーバーを手にして走りながらそう呟いていた。エミリーの行きそうな所を手当たり次第に探した。

「くそ、ここもいないか。」
こうなった以上はむやみに人に聞けない。それなら俺達で見つけるしかないと思った。
/ 120ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp