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サンロクゴ

第8章 1月【二人きりの夜ばなし】黒子のバスケ/青峰大輝




コンビニに着くと、ガラスの壁の向こうで雑誌を読んでいる、背の高い青峰さんが目に入る。


…本当にいた!


手櫛でもう一度髪を溶かして、青峰さんの目の前でガラス越しに手を振った。
私に気が付いた青峰さんが雑誌を置いてこちらにやってくる。


どうしよう、これ、『初夢』じゃないよね。
頬を指でつねってると、何してんだよって声が耳にすっと落ちていく。
機械越しじゃない、本物だ。

「青峰さん!あ、あけまして、おめでとうございます!」
「おー、あけおめ」

私服は白のニットセーターと首元の大きなスヌードが今っぽくて、さすがオシャレだなぁって見惚れた。
さつきさんとよく買い物に行くから、一緒に選んだのかな。

…あれ?

「さつきさんは?」
「いねぇよ」
「ひとり、ですか?」






…私、休日に青峰さんと2人で会うのって、初めてだ。
ますます夢みたいで自分の頬をつねっていたら、だから何してんだよって、青峰さんは意地悪そうに笑っていた。



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