第8章 1月【二人きりの夜ばなし】黒子のバスケ/青峰大輝
ちょうど向き合ってるのは国語の問題。
国語ってどうやって勉強すればいいのか分かんない。
先生は「ひたすら問題を解け」って言ってた。
なんだそれーって思いながら、言われるがままに1日のノルマを解いている。
「…何これ」
『夜咄』って漢字が読めない。
こんなとこで躓きたくないよう。
げんなりしながら漢字を調べようとスマホを開く。
すると通知画面には、1通のメッセージと2件の着信アリ。
勉強中はサイレントにしているから、気が付かなかった。
誰からだろうと確認した瞬間、スマホを机に置いて、両手で口を覆った。
「…うそ!」
『青峰大輝』の着信履歴。
時間はほんの少し前だ。
よかった。
その名前に身体中が熱くなる。
届いたメッセージの内容も、恐る恐る開いてみる。
『電話でろよ』
なんだろう、なんの用だろう。
もう、『夜咄』の読み方が気になってたことなんて、すっかり忘れていた。