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サンロクゴ

第8章 1月【二人きりの夜ばなし】黒子のバスケ/青峰大輝








中学3年生、冬休み、最後の日。
今日は1歩も外に出ていない。
空は悔しい程に晴れていた。
時間はまだ夜の6時だけど冬だから外は真っ暗で、カーテンを閉めて電気をつけ、自分の部屋の勉強机に向かっている。


勉強は、好きか嫌いかと言われれば、嫌い。
ため息をつきながら、机に飾られた2つの写真立てに目を配った。


ひとつは、私が所属する帝光中男子バスケ部、1軍の仲良し同級生の写真。
「百戦百勝」の理念を掲げる絶対無敵の彼らも、オフの時はバカみたいにはしゃいでる。
彼らのほとんどはスポーツ推薦で高校が決まって、毎日毎日バスケに明け暮れている。
いいな、勉強しなくていいなんて。



もうひとつは…去年の3月、卒業式に撮った写真。

そこでは、男バスマネで1つ年上、卒業してしまったさつきさんが、私と体を密着させてピースしてる。
さつきさん、思いっきり泣いてるなぁ。何度見ても可愛い。

そしてね、2人の後ろには、どこかそっぽを向いてる背の高い先輩が写ってる。


1つ年上で、バスケ部のエースだった青峰さん。


私が、帝光中に入ってから、ずっと好きな人。







青峰さんの顔をしばらく見つめてから、またため息をついた。
絶対合格するんだ。
青峰さんとさつきさんが通う桐皇学園高校に合格して、一緒にまた、バスケをするって決めてるから。





『二人きりの夜ばなし』





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