第7章 7月【星降る夜、君とふたりぼっち】スラムダンク/三井寿
「では、最後にお父様から、ボールをパスしてもらいます」
司会の声とともに、ノトの父は2人の目の前にやってきた。
父と三井は熱い握手を交わし、手から手にバスケットボールが渡される。
三井はノトの目に浮かんだ涙をそっと拭うと、渡されたマイクを持って立ち上がった。
言葉を選んでいるその様子に、皆が注目していた。
「あー、なんだ…前に、親父さんと、もうノトさんのことを泣かせないと誓いました。その、今日はノトさん、泣かせちまったけど…」
その台詞に、今日ノトを泣かせたのは私だがとノトの父親が反論し会場を沸かせる。
三井は肩をびくりとさせてすみませんと謝っている。
桜木が三井のその姿に指を差し笑っていると、赤木はすかさずバカタレと彼の耳を引っ張った。
「ノト、改めて言わせてくれ。一生かけて、お前を幸せにする」
三井のその言葉に、皆の大きな拍手が湧いた。
改めてされたプロポーズに、ノトは更なる涙が止まらなかった。
あなたが好きです。
あなたと幸せな家族になりたい。
これからも、どうかよろしくお願いします。
END