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サンロクゴ

第7章 7月【星降る夜、君とふたりぼっち】スラムダンク/三井寿






その後話は弾み朝まで話せる勢いだったが、家庭のある堀田の「門限」を迎えその日は解散をした。
黒木は東京のアパートではなく湘北の実家に帰るというので、三井とノトは彼女を近くまで送ってから帰路についた。





2人が同棲を始めた、同じく湘北にある三井のアパートまでの帰り道。

『今日は遅くなっちまって悪ぃな』
『寒くねぇか?』
『星、綺麗だな』

先の席で友人に褒めちぎられた三井はほろ酔いも手伝い気分も良いのか、いつも以上によく喋る。

ノトの指が偶然彼の指に触れたら、力を込めて絡み取られる。
バスケ部に復帰してから、いくつものシュートを放ってきたこの大きな手が大好きだった。




「ちょっとだけ、海行かねぇか」





9月、まだ暑さは残るけれど夜は肌寒い。
三井はカバンからジャケットを取り出し、躊躇しているノトの肩に掛け、ここから遠くない海を目指し強く握った手を引いていく。



























7月末
食事会の日の夜


父親のことがやはり信じられぬと怒りが収まらないノトは、海風に当たろうと夜の散歩に出掛けようとした。

夏の夜の海、年頃の女性が1人。

事の顛末が安易に想像できた三井は行くなと止めたが、どうしてもと言って聞かないノトに、仕方なく2人で海に向かう事にした。




幸いな事にその日はヤンチャな少年たちの姿は見えなかった。
更に幸いな事に、その日の夜空は、星たちが舞っていた。
水瓶座流星群。
そういえば今朝のニュースで騒がれていた。
食事会に緊張して、2人揃って全く情報が抜けていたけれど。








三井は忘れられなかった。
怒りの炎などとうに消え、星たちに心奪われる、ノトの楽しそうな顔を。








だからまたその憂いた顔を吹き飛ばしたくて、海に行こうと言い出した。






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