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サンロクゴ

第6章 6月【てるてるぼうずを作ろう】ワンピース/ルフィ








丘の上。
空を見上げれば、今日も雲は見当たらず雨は降らないらしい。
幾人もの幸せを見送ってきた鐘を間近で見れば、誇らしげに佇んでいる。




「ルフィさん。ところで、どうやってケッコンするの?」


ルフィの言うケッコンは、世間一般の結婚とはちょっと違うらしい。
それは私に翼をくれるんじゃないかって、何かを変えることができるんじゃないかって期待させるから、ノトは彼が巻き起こす風に乗ろうと決めていた。



「まぁ見てろ」



ルフィは頭上に向かって自身の腕を掲げる。
伸びた拳は天高くにぶらさがる鐘を叩いた。
その音色は、街中に響き渡る。


「う、腕…」
「俺、ゴム人間なんだ。そうだわりぃ。1つ気が変わった」



ルフィはノトの頭に青の花冠をそっと乗せる。



「さっき、海に出たら大切な人を探せばいいし、この島が好きなら残れば良いっつった。けど、それは嫌だ。俺と一緒にいろ」




ノトはきょとんとただ瞬きを繰り返す。
それって、本当の結婚をするってこと?
伸びた腕を目の当たりにし、更には突然の告白にノトは軽いパニックに陥っていく。
ルフィは頭に乗った花冠を優しく撫で、よく似合うって笑ってる。




「俺がノトを幸せにするって決めたんだ。シシシ、これが恋ってやつか」





ルフィに両肩を抱かれたと思ったら、素早く身を引き寄せられ、いつのまにか2人の唇は重なっていた。
大きくて、熱くて、少し硬い唇。
更に送られるサプライズにノトの頭は思考停止。
唇が離れたと思ったら、先程までヘラヘラと笑っていた彼は真剣にノトを見つめていた。
その目は、紛れもなく恋に燃える男の目。





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